検索エンジンは「検索する場所によって表示順位が違う」と言うGoogleによるローカライゼーション(検索結果の地域最適化)はご存知でしたでしょうか?
多くの方が感覚的に理解していると思いますが、Googleは検索結果に位置情報を使用しており、同一キーワードで検索を行なったとしても地域によって表示されるページは異なる場合が多いです。
そこで今回はローカルエリアの検索表示順位を正しく把握し、活用する方法についてまとめたいと思います。Googleはユーザーを価値あるコンテンツへ誘導出来るように、様々な検索アルゴリズムを用いて表示順位を変化させています。
その中でも今回抑えておくべきは以下2つアルゴリズムです。
モバイルフレンドリーアップデートとは?
モバイルフレンドリーアップデートとは、ユーザーの主要利用デバイスがパソコンからスマホ(モバイル)へ移行するにしたがい、スマホ対応を行なっているWebサイトかどうかを検索表示順位に影響を与えるものです。
またモバイルフレンドリーアップデートに関連し、モバイルファーストインデックスも合わせて覚えておく必要があります。
モバイルファーストインデックスは従来までPCサイトを基準にサイト全体の品質が評価されていたものを、モバイルを中心にサイト品質を評価するというものです。
モバイルファーストインデックス施工前まではPCサイトのSEO対策を行なっておけばスマートフォンサイトも表示順位を上げることが可能でしたが、2019年の現在はPCとスマホでは別々の評価基準を用いてWebページの評価が行われています。
ちなみにGoogleが提供するこちらのテストで自社サイトがモバイルフレンドリーテストに合格する基準を満たしているかをチェックすることができます。
ベニスアップデートとは?
特に今回はベニスアップデートについてご紹介と、地域ごとの検索方法を身に着ける方法についてご紹介いたします。
ベニスアップデートは2015年頃に施行されたGoogle検索アルゴリズムの1つです。具体的にはユーザーの位置情報(緯度経度情報)を活用して検索順位に影響を与えています。
例えば「渋谷駅」または「新宿駅」から[弁護士]と検索をすると以下のような検索結果が表示されます。

特に設定を行わなければ、位置情報を検索順位影響要素として使用しているため、検索地域ごとに表示されるページ順位が異なるのがこのベニスアップデートです。MEO(Map Engine Optimization)などに取り組んでいる企業であれば馴染みが深いかもしれません。
また覚えておきたいのはベニスアップデートでローカライゼーションが行われるのは、[地域]が検索品質に影響を与える場合のみということです。
試しに、「弁護士 費用」と検索してみましょう。

「弁護士」と単体で検索した際に比べて、「弁護士 費用」と追加するだけでページの表示順位は新宿・渋谷からアクセスしたとしても変わらずに地図表示もなくなりました。
これは費用というキーワードの検索ニーズが、地域性(即時性)を含むものではなく、もっと潜在的ニーズなキーワードとGoogleのアルゴリズムは判断しているのでしょう。
このようにキーワードごとの検索エンジン特性を抑えておくことは、SEOにおいてとても重要であり、自社が狙う主要キーワードはユーザーにどのように閲覧されているか?を抑えておく必要があるでしょう。
ただ実際に検索したい地域まで出向いて検索するのは効率的ではありませんから、次にGoogleChromeを使って検索の位置情報を変更し、他県にいても現地で同じように検索するテクニックをご紹介します。
位置情報を変更すれば、その場にいるのと同じように検索できる
上述ではエリアが検索表示に大きな影響を与えることをご紹介しました。次に実際に新規出店もしくは営業エリア拡大を考えているエリアの表示順位を取得してみましょう。
位置情報を変更するための機能もGoogleChromeで提供されているので、今回はブラウザの機能を利用して表示結果を取得します。
ローカル検索を行うためのGoogleデベロッパーツール利用方法
まずGoogleChromeをシークレットモードで開きます。シークレットモードは過去のブラウザ閲覧履歴やCookie情報等を利用しないため、ユーザーが初めて検索を行う時の状況を再現できるようになります。(必ずしもシークレットモードにする必要はありません)


次にこの状態で、Googleのデベロッパーツールを呼び出します。デベロッパーツールは開発者向けの画面となりますが、便利な機能が豊富に揃っています。
マウス操作であれば画面の適当なところを「右クリック」→「検証」を選択します。キーボードのショートカットは以下となります。
- Windows : Ctrl + Shift + i
- MAC : Command + Option + i
では実際に対象となるキーワードを入力してみましょう。

検索を実行すると検索結果が一覧で表示されたと思います。表示デバイスでも検索順位が異なりますので、ここではあなたのビジネスの対象ユーザーが利用するデバイスを選択しましょう。

画像の左側の赤枠であれば端末を指定してエミュレート可能です。(PC閲覧に切り替えるにはresponsiveを選択します)右側の赤枠であればフルサイズに変更をしてくれるので一度クリックしましょう。最後にブラウザを更新してあげると、デバイスサイズと検索結果がそれそれ変わるはずです。
検索エリアの変更方法
それでは実際に検索エリアを変更します。エリアを変更するためにコンソールを開き、「Sonsors」を呼び出します。
デベロッパーツールに3つの点が表示されているボタンがあるのでクリックし、「Show console drawer」を選択するとコンソール画面が現れます。

コンソールにも3点ボタンがあるので、「Sonsors」を選択しましょう。

すると以下のような画面が表示されます。(分かりやすいように拡大)表示されたSensorsの「Geolocation」に緯度と経度情報を入力することでローカル検索をエミュレートできます。
試しに新宿駅から検索を行ってみます。
「Geolocation」から「CustomLocation..」を選択すると緯度と経度を入力する画面が現れます。

緯度経度の取得方法
様々な取得方法がありますが、私は簡単なのでいつもGoogleMapを利用しています。GoogleMapで新宿駅に移動します。次に任意の場所で右クリックし、「この場所について」を選択します。


画面下に小さく緯度経度の情報が現れますので、こちらをコピペで先ほどのGeolocation画面へと入力します。
地域変更した検索を表示
GoogleMapで取得した文字列の左側をlongitude、右側をlatitudeへ入力します。

これで状況が全て整いましたので、ブラウザを更新するのですが、このままでは位置情報が反映されない方もいらっしゃると思います。反映されない方はブラウザ側で位置情報の取得許可を出す必要があります。一度ブラウザーを更新して、検索バーの鍵マークをクリックします。

すると現在地と言う項目がありますので、これを「許可」に変更してください。
これでもまだ反映がされないと言う方は、Google検索ページの一番下から一度位置情報の更新をしてみましょう。

赤枠の「正確な位置情報を使用」をクリックして、表示地域名が変更になるかをご確認ください。
いかがでしたでしょうか?おそらく正しく表示がされたのではないかと思います。
活用例
検索表示の活用例として主に利用するのは、「競合企業のリスティング広告の出稿有無」特にPCとSPの出稿状況確認や「エリアターゲティング表示有無」などチェックし、上位表示を狙っているキーワードが正しく集客に結びつくキーワードかどうかを判断していくような使い方が可能です。
SEO順位取得ツール利用も検討する
ただし注意したい点としては、表示順位のアルゴリズムは日々進化するものであり今後さらに短いスパンで検索ニーズに対応(アップデートされた)した表示順位となるでしょう。
そうなると、リアルタイムに変動をチェックするモニタリング環境が欲しくなります。表示順位取得ツールであれば一括で表示順位を取得できるものもありますので、定点観測可能なツールを利用していくことをおすすめ致します。
利用するのであれば予算に合わせてGRCやSERPOSCOPEやGyro-nなどを選択すると良いでしょう。無料で環境構築するオススメの方法もあるので、次の機会に記事として執筆したいと思います。
最後に
SEOは日々アップデートされ続けており、最適化には大変労力がかかっていらっしゃると思います。Palcoolでは内部対策を初めコンテンツマーケティングの運用など正攻法(ホワイトハット)でSEO対策を行っています。
どのような対策を行うか?についてご興味を持っていただけましたら是非一度お問い合わせよりご相談くださいませ。